ニホンウナギ

ニホンウナギ
夜間、川底を泳ぎ回るニホンウナギ(屋久島)

ニホンウナギは、アユ、コイと並んで、日本の淡水魚の三大重要水産魚種ですね。その中でももっとも産業的に重要な種と言えるでしょう。しかし、コンクリート護岸による生息場所の破壊や、養殖用種苗の確保を目的とした乱獲により、個体数は大きく減少しています。そのため現在では環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧種に選定されています。

周知の通り、ニホンウナギは特別な生態を持っており、産卵のためにフィリピン沖のマリアナ海溝付近の深海にまで移動します。移動する際は「銀ウナギ」と呼ばれる独特な姿に変態します。産卵後の親はすべて死亡するようです。卵から生まれた仔魚は「レプトケパルス幼生」と呼ばれる透明な葉のような特殊な形態で、海流に乗って日本近海まで移動します。陸地に近づくと今度は「シラスウナギ」と呼ばれる透明な細いウナギの姿に変態し、河口にまでたどり着きます。その後は干潟や川で成長しますが、その頃には「クロコ」と呼ばれる黒く細いウナギの姿に変態します。一般的にニホンウナギは淡水魚と思われていますが、一部の個体は汽水域で一生を過ごすようです。

繁殖のため体全体が銀毛化した「銀ウナギ」(福岡県産)
ウナギのクロコ・黒子
8月、川を遡上するニホンウナギの幼魚、クロコ(黒子)(福岡県)

春先には筑後川の下流域では川を遡上する「クロコ」が観察されます。そのいずれの個体もが、はるか遠くマリアナ海溝付近から泳いできたことはとても信じられません。しかし事実です。はるばるやってきたニホンウナギたちがきちんと育つような、良い川を取り戻していきたいですね。

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