コオイムシ

オスが卵を背負って守る生態を持つことからコオイムシ(子負い虫)の名がついています。メスはオスの背中に卵を産み付け、オスがその後、孵化するまで卵を守ります。このような生態は、海水魚のタツノオトシゴ類などでも見られますね。水生昆虫の王者・タガメは木や植物に産み付けられた卵をオスが守りますが、実はタガメはコオイムシと同じコオイムシ科に属します。コオイムシ科はいずれも何らかの形で、オスが卵を守る生態を持っています。

卵を負うコオイムシ
卵を負うコオイムシ(福岡県産)

コオイムシは2cmほどで、筑後川流域では比較的普通にみられますがカメムシの仲間であるため、農薬に弱くすぐいなくなってしまいます。主に平地の水田や水路、ため池に生息しています。前脚は鎌状で、ヤゴなどの小昆虫を捕獲して、口を刺し込み消化酵素を流し込んで肉を溶かして食べます。

卵を負っていない状態の個体(福岡県)

国内では近縁種としてオオコオイムシとタイワンコオイムシが知られます。オオコオイムシは北海道から九州に分布しますが、九州では標高が高い限られた湿地にのみみられます。タイワンコオイムシは南西諸島に分布しますが、ほぼ絶滅状態です。2014年に石垣島から56年ぶりに再発見されましたが、またいなくなってしまったようです。

オオコオイムシ(秋田県産)
タイワンコオイムシ(石垣島産、56年ぶりに確認された個体)
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